2023宙ツーリズム推進協議会主催セミナーを開催しました
令和5年10月27日(金)に、「ツーリズムEXPOジャパン2023」の会場内で、『「宇宙」を活用したツーリズムと地域活性化』をテーマにしたセミナーを開催しました。
オフライン、オンライン合わせて約60名が参加されました。
講演の概要をご紹介させていただきます。
※画像をクリックすると発表内容の動画がご覧いただけます
「宇宙」を活用した観光による地域活性化のポテンシャル
山崎 直子氏(Spaceport Japan代表理事/宙ツーリズム推進協議会副会長)
宇宙には様々な非日常が詰まっており旅との親和性が高いことや、スペースポートを作ることで地域づくりや産業振興をしようという動きが国内外で活発化していることなどが紹介されました。
最後に、「宇宙は決して遠いものではなく、宇宙と地球が繋がる未来を感じていただきたい。
裾野の広い宇宙産業にツーリズムが加わることで、さらに裾野が広くなっていく」というお話がありました。
「宇宙教育×ツーリズム」(宙エデュケーション)による地域活性化の取組
秋山 演亮氏(和歌山大学教授/宙ツーリズム推進協議会副会長)
2005年から始めた能代宇宙イベントの参加学生総数は1万人以上にもなり、卒業生の多くは今も同イベントの見学などで繰り返し来訪していることが紹介されました。
また、産業の中核を担う現場経験を積んだ人材を産学協同により構築する枠組み作りが急務である等のお話もあり、最後に、「宙エデュケーションによる地域活性化を始めませんか?」との呼びかけがありました。
「宇宙×ツーリズム」の多彩な展開
中島 修氏((株)日本旅行 事業共創推進本部 宇宙事業推進チーム マネージャー)
同社は、旅行会社という概念にとらわれず、夢やロマンの対象だった宇宙という領域を世界を多くの人の手に届ける架け橋になることを目指して挑戦し続けるというお話がありました。
取組事例として、宇宙×ツーリズムによる新需要開拓(千葉県香取市)、観光産業活性化(大分県)、コンテンツ造成(茨城県かすみがうら市)、魅力磨き上げ(鳥取県)、地域づくり(北海道大樹町)、人材育成(星のソムリエ養成)が紹介されました。
各地域での取組み紹介
鳥取県:井田 広之氏(鳥取県産業未来創造課 課長補佐)
星空の美しさを観光や地域活性化、子どもたちの夢をはぐくむ学習の素材など様々に活用して鳥取の新しい未来を開く「星取県」のネクストステージとして、鳥取砂丘月面化プロジェクトなど鳥取ならではの宇宙産業創出の取組みや、鳥取砂丘月面実証フィールド『ルナテラス』がオープンしたことなどが紹介されました。
北海道大樹町:大出 大輔氏(SPACE COTAN(株)取締役兼COO)
「北海道に、宇宙版シリコンバレーをつくる」という構想をもとに、北海道スペースポートの強みや整備計画、様々な実験、宇宙産業のビジネスや実課題に触れることができる観光・教育ツアーの開始、北海道宇宙サミットの開催、様々な連携事業を行っていることなどが紹介されました。
大分県:屋野 愛音氏(大分県 企画振興部 広報広聴課 広報・報道班)
2021年からシティプロモーション 「宇宙ノオンセン県オオイタ」に取り組んでおり、大分空港の宇宙港化、国東高校のSPACEコース開設、大分空港〜大分市内を結ぶホーバークラフトの運航予定などが紹介されました。
今後、「温泉+α(自然や食、アクティビティなど)」をPRし宇宙規模で愛される「オンセン県オオイタ」を目指すというお話がありました。
なお、今回は「宇宙」活用をテーマにこの3地域をとりあげましたが、今後、「星空」活用など宙の魅力をテーマに様々な地域活性化を紹介するセミナーやシンポジウムを展開していきたいと思います。