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宙旅ナビゲーター資格認定講座 特別講演レポート

相手を知り、相手を受け止める“星空×コミュニケーション”

1月23日(土)にフリーランスの科学コミュニケーターとして活動されている本田隆行氏(詳しいプロフィールはこちら)による特別講演を開催いたしました。この講演は、宙ツーリズム推進協議会が事業の1つとして掲げる「宙旅ナビゲーター資格認定講座」の一環として企画いたしました。
※宙旅ナビゲーターについてはこちら

残念ながら、実施予定だった資格認定講座自体は緊急事態宣言の発出等により中止となりましたが、特別講演のみオンライン形式にて開催することができました。

講師の本田隆行氏

当日は20名ほどが参加されました。参加者の中には、サイエンスコミュニケーターや宙旅ナビゲーターに興味がある方、自分自身の勉強のために参加されている方などがいらっしゃいました。バックグラウンドは様々なようでしたが、共通して星や宇宙、科学に興味がある皆様が集まってくださった印象を受けました。

講演のテーマは「星空×コミュニケーション=?」。お話が早速始まるのかなと思っていましたが、まずはアイスブレイクを兼ねて、参加者の皆様に「宇宙にハマったきっかけは?」と問いかけをされました。ご自身の自己紹介しつつ、参加者からのコメントを募集し、それに対してコメントをするなど、いきなり参加者を巻き込むような展開をされていたのが印象的です。

今回の講演は、宇宙というキーワードに関心がある人が集まりましたが、サイエンスコミュニケーターとして活動している時に必ずしも“宇宙に興味がある”という前向きな人ばかりに合うわけではない、と本田さん。そういった場面であっても、自分と向かうことになった相手にどう接するのか、そしてどのように宇宙を伝えるのか、にポイントを置き、本田さん自らのエピソードも交えながらお話してくださいました。

どのようにして宇宙を伝えるか、という問いには答えが1つだけではありません。伝える環境や相手の関心がある分野によって様々な伝え方があります、と具体事例を示しながらお話してくださいました。相手と向き合っている場所が星空の下なのか、科学館なのか、それとも日常生活の範囲内の場所なのかによって、伝え方や伝えるための道具(実際の星空なのか、展示物があるのか等)が異なります。さらに、“相手の関心がある分野=自分が伝えたい分野“の方程式は絶対ではなく、相手と向き合いながら敏感に反応してくれそうな話題から話を展開していくことが、相手に宇宙を伝える時に役立つスキルの1つとのこと。例えば、相手に「おじいちゃんの名前知っていますか?」という身近な話題を切り口として、生命の起源まで話を広げ、気付いたら宇宙の話になっているなど、いきなり自分が伝えたい本題を相手にぶつけるのではなく、相手が興味を示してくれる話題から切り込めるかどうかが、相手に宇宙の話を伝えることにつながるとお話してくださいました。

このようなスキルを観光の分野でどのように活かすのか、宙ツーリズムの役割はなにかを考えたときに、本田さんは星空と人を結び合わせる存在が宙旅ナビゲーターであり、星空と触れ合う機会が減った今の時代に星空と接する機会を与えてくれるのが宙ツーリズムだと、お話してくださいました。外出すること自体が減ってしまった世の中ですが、それでも夜に宙を見上げれば出会える星空と、その向こうにある宇宙に触れてもらう機会を提供できる宙ツーリズムの役目は大きなものである、と感じました。

講演の最後に、「相手を知り、相手を受け止め、そして“宇宙・星空”を伝えるためには」という印象的なフレーズとともに講演を締めくくってくださいました。向かい合う相手によって、宇宙を伝える方法は1つではなく、10人いれば10通りの伝え方がある。その伝え方を知るためには、相手のことを知り、相手が発する情報を柔軟に受け止める姿勢が大切だと、お話してくださいました。

頑張って手に入れた専門知識を誰かに話す時は、どうしても自分よがりな姿勢になってしまいがちですが、相手も自分も心地よく宇宙について伝えるときには、コミュニケーター側である自分自身の姿勢にかかっているのだな、と感じました。参加者の中には実際にお仕事やボランティアとして伝える側の立場となる人もいらっしゃったかと思います。そういった皆様にとっては、実践で役に立つ内容だったのではないかと思います。一方で、純粋に宇宙に興味があるという動機で参加してくださった方々にとっては、語り手側がどのような考え方で日々お客様などと向き合っているのかを知る、貴重な機会になったのではないでしょうか。

レポート:木原 美智子

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